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相続人になったとき、最初に確認すること

近しい方が亡くなったとき、大きな悲しみの中であっても葬儀の打合せ・通夜葬儀の喪主・親族や参列者との対応と通常の生活でも経験しないことを一気に行うことになります。それらに伴い、小さなことですが喪服セットを取り出してきたり、会社や子どもの学校への忌引き連絡、予定先への変更連絡、などもただでさえ忙しい中で時間を取られるものです。

四十九日法要も終われば一応の区切りはつきますが、ここからが「相続」に伴う手続きを進めていく時期です。
葬儀社や市役所でそれら手続きの案内をまとめた書類を頂くこともありますし、WEBで検索したりAIに聞けば 葬儀後に行う手続一覧 の情報は出てきますので、こちらのページでは相続手続きを業務として行う立場からポイントを説明いたします。
(目次)
1 主な相続手続きの期限
  - 手続一覧表
2 財産 / 負債の調査方法

● 主な相続手続の期限

相続手続きには様々な期限があり、それを一覧にするとこちらのようなものがあげられます。
ただ、一覧表に記載のあるものを全て決められた期限どおり又は急いでおこなう必要性は実務上は感じません(期限をすぎても大きな不利益が生じないもの)。逆に、次の期限は十分に注意をして手続きの準備や決定を進めるべきものです。

重要 3か月以内 相続放棄・限定承認
自身が相続人となったことを知ったとき を基準として、3か月以内に家庭裁判所に申立てが必要です。生前に交流がなく、亡くなったことを債権者からの連絡(あなたが相続人なので故人名義の不動産の固定資産税を支払ってください、といった役所からの通知等)で知った場合にはその日が基準日ですが、親が死亡して病院からその連絡を受け、葬儀にも参列をしたような場合は被相続人の死亡の日が基準日となります。相続放棄という手続きを知らなかった、という事情があっても手続き上は考慮されません。また、被相続人の財産や負債の詳細が分からず、相続をするか相続放棄をするかを決定できないような場合は、同じく3か月以内に家庭裁判所に 相続の承認又は放棄の期間の伸長 の申立てをすることで決定の締め切りを伸ばすことができます。

●4か月以内 準確定申告/青色申告の引継ぎ
被相続人の所得税申告を、相続人が死亡を知った日の翌日から4か月内に行います。また、被相続人の事業を引き継ぐ場合には相続開始から4か月内に税務署に青色申告の引継ぎを行います。これらの手続きをする場合、事業所得等があることが多く、生前に関与していた税理士がいるケースも多いため、その税理士にご相談されることがよいです。

重要 10か月以内 相続税の申告 
相続税が課税される場合(※基礎控除3000万円+相続人1人につき600万円×相続人数 を超えると相続税課税がされます。ただし、債務控除等をして相続税課税されないこともありますが、目安として上記に近い財産額があるようなら詳細な財産評価をされるべきです)には、被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月内に相続税申告が必要です。
相続税申告はご自身で行うことも可能ですが、財産評価や遺産分割協議など、専門的かつ煩雑な内容となりますので、税理士にご相談をされた方がよい手続きといえます。また、期限間近になって税理士に相談をしても、財産評価等の準備に時間を要するため、相続財産を概算で把握して相続税課税されるかも? と思った時点で税理士への相談を始めることをお勧めします。期限内に申告をしなければ、ペナルティとしての加算税や延滞税が課されますのでご注意ください。

●1年以内 遺留分侵害額請求
遺留分権利者が相続の開始及び遺留分を侵害する贈与や遺贈があったことを知った日から1年間行使しない場合、時効により消滅します。また、相続開始から10年を経過すると除斥期間として権利消滅します。
1年の時効は 自分が相続人であることを知った日 と 遺留分を侵害する贈与や遺言の内容を知った日 の両方を起算点としますので、遺留分侵害額請求をする場合や逆にされる場合は注意が必要です。

●3年以内 不動産の相続登記
令和6年から相続登記の義務化が始まり、相続(遺言を含む)によって不動産を取得した相続人は、その所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をする必要があります。また、遺産分割が成立した場合には、これによって不動産を取得した相続人は、遺産分割が成立した日から3年以内に相続登記をする必要があります。
正当な理由なく、これらを怠ると10万円以下の過料が適用されます。ただし、正当な理由があれば過料はかかりませんし、遺産分割協議が成立する見込みがなく進行できない場合等は、「相続人申告登記(自身が相続人であることを申告し、登記簿に記録する手続き)」を行うことで過料適用もされません。

まとめ

期限を過ぎてしまうと手続き自体ができないもの や 別の負担(延滞税・加算税等)が発生する 点から、相続放棄の選択 と 相続税申告 については注意が必要です。それら以外の期限のある手続きは相続の個別事案について該当するしないがありますので、一覧表をざっと見た上で、自身に関わりのある項目を行えばよいでしょう。

相続放棄も相続税申告も、それらを行うか否かを検討するには、財産と負債 の把握が必要となりますので、次にそれらの調査方法を説明します。

● 相続財産及び負債の調査

一緒に生活をしていた方であれば大体の内容は把握できると思いますが、そうでない場合(離婚により幼少の頃に別れた親の相続や叔父叔母の相続など)には どこの銀行に預金財産があるのか・負債はあるのか を全く分からない状態が通常と思います。負債が財産よりも多ければ、相続放棄をすることで相続することはなくなりますが、それも財産負債の把握が前提です。最初にお伝えすると、

100%の財産及び負債の調査は無理です。


今はパソコンやスマホの情報で財産管理を行えるため、通帳のない銀行口座や証券口座も多くあります。また、電子マネーも紙ベースでは内容がわかりません。これは一緒に住んでいた方が亡くなった場合でも同様に起こり得ます。
そのため、100%の財産負債調査は無理ですが、調査できることは尽くしてその確率を上げ、今後の相続の選択をしていくのが現実の方法です。

(具体的な調査方法)
1 自宅内などの書類確認
■自宅や会社などに書類を保管されている場合は、それら書類を確認します。契約書そのものがなくとも、継続して出てくる会社名の請求書や領収書があれば何か取引があると推測できます。また、数字の書かれたメモは下記のパソコン・スマホのログインIDやパスワードである可能性が高いため、処分せずに保管されておくようご注意ください。
■銀行名の記載のある封筒やカレンダー、BOXティッシュなどがあればその銀行に口座がある可能性が高くなります
■配達される郵便物は一定期間確認するようにします(定期購入品がある場合の請求書やクレジットカードの明細書などで負債の把握ができます)

2 パソコン・スマホ内のデータ確認
■現代では書類よりもデータを確認することで手がかりは見つかることが多いです。
ただ、ログインのためのパスワードが分からなければ中身を見ることはできません。パスワードが分からない場合、故人にいわれのある番号をひたすら組み合わせて試してみるのが最初に行うことになります(後述のスマホの場合などには、間違って入力したパスワードの回数によりデータ初期化がされてしまうため十分ご注意ください)。本人や家族の生年月日、記念日、電話番号の下4桁、車のナンバーなどにするケースも多いですし、ご家族が知っている他の手続先(銀行のキャッシュカード、子どもの奨学金などWEB申込したときに故人が入力したパスワードなど)の暗唱番号は使いまわされている可能性も高いです。また、スマホや携帯をショップで契約した場合は、その際に渡された契約書類に番号をメモされていることも多いです。
※おそらく一番情報が詰まっているスマホですが、iphone の場合5回まではパスワードを間違っても何も支障はありません。6回目以後、使用できなくなる時間がだんだんと長くなり、10回目には強制的にデータ初期化されてしまう場合もあります(iphoneの設定によります)。
※故人のパスワード解除を有料で行ってくれる業者も多数あり、費用は1万円〜であるようです。ただし、パスワード解除できるのはパソコンに限られ、スマホは基本的に無理なようです。Android機種では端末メーカーによって物理的解析でロック解除も可能な場合があるとの記載もありました。
※ドコモ、AU、ソフトバンクなどの携帯キャリアでは、死亡診断書や戸籍謄本等で相続人であることを証明することで、契約情報の開示は可能です。ただし、パスワードは携帯キャリアでも把握していないため解除はできません。

2 銀行口座
残念ながらある特定の人が所有している銀行口座を一括照会する制度はありません。親族の方で所有銀行口座を把握されている場合は問題ありませんが、それが分からない場合には当事務所で口座有無調査をする場合、@被相続人の住所地から徒歩圏にある全ての銀行等金融期間への口座有無照会・A都市銀行及びゆうちょ銀行への口座有無照会・B親族の方からの聞き取りで可能性のある金融機関への照会・C年金や税金などの振込又は引落口座の調査 を行うことが一般的です。最近は通帳が存在しないWEB銀行が多く、これらはスマホやパソコンの記録、自宅内の資料(口座開設書類やログインパスワードのカード等)から把握します。
※年金や保険金の受領が存在するのにその入金がされた通帳が見当たらない、クレジットカードの支払がされているのにその引落口座がない等、他の取引の受領・支払の整合が取れなければ把握していない金融口座がある可能性が高くなりますので、銀行口座だけでなく全体概要から口座有無を検討することが重要です。

3 株式(証券口座)
■資料から証券口座の存在が把握できれば通常に相続手続きを進めますが、証券口座の有無が分からない場合には証券保管振替機構に登録済加入者情報の開示請求を行うことで把握ができます(リンクはこちらを参照ください)
※ただし、2009年1月に実施された株券電子化の手続きを行っていない場合は、証券会社の口座にない、いわゆるタンス株となっています。このタンス株は会社にて「特別口座」に管理されておりますが、株式を所有している株主であることは変わりないため、所定の手続きを行うことで相続手続きは可能です。

4 生命保険
■資料から生命保険の存在が把握できれば通常に払出手続きを進めますが、生命保険契約の有無が分からない場合には生命保険協会に契約有無の一括照会が可能です(リンクはこちらを参照ください)
※一括照会の対象は生命保険契約についてのみです。医療保険や個人年金は対象となりません(ただし、生命保険のある保険会社でそれら契約があれば、通常は他の保険契約の存在を案内してくれます)。医療保険は通常、定期的に口座振替で保険料を支払うことが多いため、過去を含めた通帳の記録で確認することも有効です。

5 電子マネー

  **以下作成中です**

● 相続人の特定(戸籍の取得)



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